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「・・この思考の逆転をもたらすために聖霊が用いる大いなる学びの補助手段が、赦しである。」
『奇跡講座』まえがき から

                                   

  

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ITIP-ACIMの歴史的背景


(以下の記事は、ITIP-ACIMの設立に伴い、FACIMのニュースレター「ライトハウス」1995年3月号に掲載されたものです。)


ITIP-ACIM

(Institute For Teaching Inner Peace Through A Course in Miracles)
『奇跡講座』を通して内なる平安を教えるための学校

その歴史的背景

— グロリア&ケネス・ワプニックー

このコースの筆記者ヘレン・シャックマンは、『奇跡講座』がその本来の形のままで一般社会に理解され歓迎されることはないだろうということに、はっきりと気づいていました。そしてまた、『奇跡講座』の一元論的思考体系の妥協のない純粋さ、および毎日を赦しのもとに生きなければならないという先鋭的な教えは、この世界に普及している大半の思考体系を脅かすものとなるということも、内なるイエスの智慧によって彼女にはよく分かっていました。そして、こうしたことのために、『奇跡講座』を、まったく正統的でない教えと見なす人々も多いだろうし、全面的に受け入れがたいと見なす人々もいるだろう、ということも承知していました。未だ短い『コース』の歴史がすでにそれを実証しています。ヘレンは、『奇跡講座』の教義は、彼女に口述された通りの純粋な形で多くの人々に理解されることはないだろうし、その真のメッセージは何百万人もの人々の間で人気を博するようなものではない、ということを、事実として受け入れていたのです。

けれども、だからといって、ヘレンは、想定されるその他の人々の必要に合致するように『奇跡講座』が希釈されたり、変更されたりすべきだとは断じて思っていませんでした。実際のところ、事実はその逆でした。彼女とウィリアム・セットフォード(『奇跡講座』を書き取るという共同事業のもう一人の担い手)は、イエスは彼らに神聖なる信託として『奇跡講座』を与えたのであり、その理由はまさに、彼らが『奇跡講座』を純粋なままに維持し、その明白な教えを明白なままに保持するからであると理解していました。ちなみに、この神聖なる意図は「『奇跡講座』の三巻の書は簡約化されたものや切り離されたものになってはならないし、そのカリキュラムはどのようにも変更されたりしてはならない」というヘレンがイエスから受け取った明確な指示のうちに見て取れます。

この神聖なる信託は、1975年にヘレンにより、この世界において『奇跡講座』を公的に代表することになる組織FIP (内なる平安のための財団: Foundation for Inner Peace)へと拡大・適用されました。彼女が、イエスから『奇跡講座』の著作権およびその出版の権利をFIPに委任するようにと指示されたとき、FIPが担うべき二つの機能を反映して、その任務には二つの要素が含まれていました。すなわち、(1)『奇跡講座』を出版し頒布すること、(2)出版物や未来の教育センターにおける講習などを通じて『奇跡講座』を教えること、の二つFACIM in Roscoe 2です。ヘレンは、その教育センターとして、湖のほとりにある一つの建物の心象風景を見ました。イエスを象徴する金色の十字架が屋根にそびえる白い建物として、彼女の心にそれが象徴的に思い浮かんだのです。ケネス・ワプニクによる著書『天国から離れて』 (Absence From Felicity) の中に記されているように、『奇跡講座』の出版に先立つ数年間、ヘレン、ビル、ケネス(後にはジュディス・スカッチ、およびロバート・スカッチも参加)の間で、この教育センターの設立のことが真剣に話し合われました。ケネス・ワプニクを教育の第一責任者としつつ、そのセンターでみなが一緒に暮らし、一緒に『奇跡講座』を教えよう、といった話でした。様々な理由により、この初期の頃に、その形で教育センターが実現することはなかったのですが、教育という内容は常にFIPが負った責任の不可欠な一部であり続けました。

FIPの理事たちは、この神聖なる信託を保持するという、自分達に委ねられた機能を、『奇跡講座』の妥協のない内容が完全な形で常に維持されるように保証することであると、理解してきました。『奇跡講座』がもつ更に大きな目的の全貌についてはおよそ人知の及ばぬところですが、確かな事は、『奇跡講座』の中で教えられていることの真の恩恵を受け入れ、賞味することができるようになるのは、未来の世代である、ということです。従って、FIPの理事たちにとって、唯一無二の目的は、後世の人々がその上に依って立つことのできる土台を敷くために、この信託を保持する者として、互いに協力し合うことであり、未来のために、純粋な文献と、忠実にして正確な翻訳と、教育の確固とした核となるものが、確実に存続するようにしておくことです。そうすれば、現在よりもずっと多くの人々が『奇跡講座』の学習に取り組む用意ができた時に、彼らは希釈も歪曲も変更もされていない『奇跡講座』を手にすることができます。それは、30年前にヘレンがイエスから受け取ったときと同じく純粋な形と純粋な内容を備えた『奇跡講座』です。

こうした初期の頃、FIPの活動はほとんど全面的に『奇跡講座』の出版と頒布に向けられていました。しかしながらヘレンは、1981年に亡くなる前の数年間、FIPはもう一方の目的も果たすべきであり、ケネスが『奇跡講座』を教えるのをサポートすべきであると、きわめてはっきりと考えていました。それは、ケネスの最初の著書である『奇跡講座におけるキリスト教的心理学』(1978年出版)の編集をヘレンが手伝ったことにも表れています。その後、FIPはその本拠地をカリフォルニアに移転させ、ケネスはヘレンとともにニューヨークに残ったため、『奇跡講座』を教えるという機能は結局のところその兄弟組織であり、1983年に私たちが法人として設立した、ニューヨークに本拠を置くFACIM(『奇跡講座』のための財団: Foundation for A Course in Miracles)が担うことになりました。ですから法的には二つに分かれた組織でしたが、ヘレンが与えてくれたイエスからの指示(『奇跡講座』を代表する公的な機関は、出版/頒布、ならびに教育という二重の機能を果たさなくてはならない )を私たちは常に心に刻み、一体のものとして一緒に — 一つの全体の二つの部分として — 機能してきました。こうして、二つの財団は異なった機能を有してはいますが、種々の決定を下すプロセスにおいては互いに協力しながら現在に至っています。

現行のFACIMは「ニューヨーク州法務局」のもとで非営利慈善団体として設立されたため、「ニューヨーク州教育局」からの認可が得られず、活動内容によりふさわしい教育法のもとで新たな組織を形成することが必要となりました。そしてこれは、FIPとFACIMの両方のコンセプトと機能を新しい組織において、統合する理想的な機会と思われました。こうして新組織の名称は、ITIP-ACIM(『奇跡講座』を通して内なる平安を教えるための学校とされ、内容においては常に一つだったものが、形の上でも一つに融合したことを反映するものとなりました。FIPもFACIMも存続しますが、ジュディスは新しい組織の取締役員の任に着き、ケネスは引き続きFIPの理事としての任を果たし続けます。

『奇跡講座』は、自学自習用のカリキュラムであり、それを学ぶ全ての受講生は、自らの<特別な関係>の中で、『奇跡講座』の赦しの教えを勉強し、実践することが求められます。<特別な関係>が教室となって、ただ一つの真の関係を再発見し、育んでいく機会を与えてくれます。その関係とは、教師および導き手としてのイエスあるいは聖霊を相手とする関わりです。ところが、受講生たちの自我が無意識のうちに特別性に執着しているため、聖霊とのこの関係がひどく歪められ、損なわれることがありえる、ということもまた真実です。この特別性がもつ危険な性質については、イエスが「テキスト」中の非常に迫力のあるセクションで次のように教えています。

あなたは特別なのではない。もしあなたが自分は特別だと考え、あなたの真の本性についての真理に抗って、自分の特別性を守ろうとするのなら、どうしてあなたが真理を知ることなどできるだろう。もしあなたが耳を傾ける相手があなたの特別性であり、質問をする者も答える者もあなたの特別性であるとしたら、聖霊が与えるどんな答えがあなたに届き得るだろう。あなたの本性を永久に愛し讃えて、からあなたへと滔々と流れてくるメロディーの中では無音のものに過ぎないその微小なる答えだけが、あなたが耳を傾けている相手である。そうしてその「力強さ」の前では、あなたの本性に捧げられるあの広大な栄誉と愛の讃歌が沈黙し、聞かれることのないもののように思える。あなたは、その無音の声をなんとかして聞こうと耳をそばだてるが、そのとき神ご自身の呼び声はあなたにとって無音のものとなっている。

あなたは自分の特別性を防衛することはできる。しかし、その傍らに居ながら神を代弁する声を聞くことは決してないだろう。(T-24.II.4:1-5:1)

こうして、そうした特別性への執着がなければ本来は「単純」、「明白」、そして「直截な」『奇跡講座』(以上の形容詞は、イエスが自らの教義について形容する時に実際に繰り返し用いている言葉である)のメッセージが、どうしようもないほどに歪曲され、ちぐはぐなものとして受講生たちに理解されることになります。そうすると、本来は善意ある受講生達でも、自我の特別性に発した行為をしていながら自分たちは<神を代弁する声>に導かれていると堅くに信じてしまうことになります。そうしたことを鑑みるとき、『奇跡講座』の受講生たちが通える教育センターや、勉強することのできる本やテープが存在し、それらが、単純、明白、直接的なやり方で『奇跡講座』を教え、受講生たちが『奇跡講座』の学習や実践を正しい軌道で進めていけるように手助けするなら、彼らの役に立つことができるはずです。『奇跡講座』の原理を真に理解することなくして、それを効果的に実践することは不可能です。そして、実践こそが、イエスの教義が究極のゴールとしているものであることは言うまでもありません。理解と実践というこの二重の目的のゆえに、『奇跡講座』のカリキュラムは「テキスト」と「ワークブック」 の両方を含んでいるのであり、この「計画」にはその始まりから、受講生たちがこの目的を達成するのを促進し、支援するための教育センターが組み込まれていたのです。

FACIM in Roscoe 1cここで強調しておかなくてはならないことがあります。このアカデミー&リトリート・センター[FACIMがテメキュラに移転する以前、ニューヨーク州ロスコーにおいて運営していた教育センター]は、『奇跡講座』のそれぞれの受講生が責任をもって取り組むべき個人的な学習と実践に取って代わることを意図してはいない、という点です。そしてまた当然のことながら、真の教師であるイエスや聖霊の代わりになろうなどとは微塵も考えていません。そうではなく、当センターが望んでいるのは、その様々な学究的プログラムを通して、受講生たちがそれぞれに個人的な『奇跡講座』の学習を進めていくのを助け、師であり友である存在としてのイエスと自分との関わりを育んでいくのを手伝う、という本来の目的を実現させることです。これまでと同様に、私たちはここに集う受講生たちの必要に合致するよう様々なプログラムを試みていくつもりです。しかし、その目的は常に、受講生たちが自立的かつ勤勉に『奇跡講座』を学習していくよう励ますことであり、そうした長年の歳月にわたる学習によって『奇跡講座』の教義を良く理解するようになった彼らがその原理を忠実に実践していくよう励ますことです。ここで手本となっているのは、ヘレンとビルを指導したイエスのやり方です。ヘレンがイエスの言葉を書き留めている期間に、イエスはヘレンとビルに、「これらの記録ノート(イエスは『奇跡講座』の口述記録をこのように呼んでいた)を勉強しなさい」と強く勧め、彼らが非常に私的なイエスの指導と監督の下で、勉強したことを日常生活に適用するように促しました。

学びと実践の両方を焦点とするというやり方は、常にFACIMの教育プログラムの模範となってきました。そしてその姿勢はいま、ITPT-ACIMへと引き継がれました。FIPおよびFACIMの職員として私達は常に、訪れた受講生たちが『奇跡講座』の中でイエスが教えている思考体系についてより深く理解し、彼らの日常生活に学びを適用し赦しを必ず実践しようという新たな決意を胸に、講義やワークショップや講習を後にしてくれるなら、それこそが私たちの成功だと感じてきました。私たちは、『奇跡講座』自体の中に見出されるその卓越した基準を自らの基準として掲げ、こうした精神をもって『奇跡講座』を教えています。是非こちらにみなさまをお迎えして、『奇跡講座』を勉強し、習得していただき、『奇跡講座』と共に歩むみなさまの旅路を更に前進していただきたいと心より願っています。