11月 212016
 
【質問】

『愛のコース』(A Course of Love)という本があると聞きました。
アメリカのACIMカンフェレンスでもACIMの続編として正式に受け入れ
られているとのことです。『奇跡講座』と一緒に、これも学ぶとよいの
でしょうか?

 

【回答】

昨年から同様のご質問が相次いだので、『愛のコース』の原書を実際に読んでみました。それにより気づいたことを以下に列記してみます。

* 『愛のコース』はすでに2001年から販売されていた本ですが、発売当時はほどんと話題にならず、数年前くらいから英語圏でA Course In Miracles (ACIM)を学ぶ人々の間で注目を集めるようになった様です。この本がACIMとの関連で語られる理由は、この本自体が「ACIMの続編である」と明確に述べていて、ACIMの中に出てくるのと同じ用語やフレーズを使用しているからです。ですから、この本は明らかにACIMを意識して書かれており、その形を見て、ACIMと似ていると思ってしまう人々がいることは、理解できます。けれども、その内容は、「続編」と呼べるようなものではありません。

* 『愛のコース』は、『奇跡講座』の内容を発展させたという意味での「続編」と言えるようなものではなく、むしろ、簡略化の方向へ移行したものであり、純粋非二元論から二元論への後退と言える特徴が明らかです。『奇跡講座』と一緒に学ぶことが有益であるような相互補完的な作品ではなく、まったく別の作品と考えるのが正しいと思われます。少なくとも、本サイトで紹介している理解のしかたで『奇跡講座』を学ぶ場合には、『愛のコース』と一緒に学ぶことは不可能です。

* 単独の本としては、『愛のコース』はしっかりした内容のチャネリング本
として、独自の価値があると言えるとは思います。けれども、この本を『奇跡
講座』と関連付けることは、混乱のもとになります。『奇跡講座』はそれ自体
で完結している一つの体系だからです。

「・・人々は、これまで、『奇跡講座』の続編だとか簡易版だとか子供向け版だとか、ありとあらゆる新バージョンを作り出してきましたが、それはみな、『奇跡講座』そのものへの恐れの表れです。そういうものを作り出すこと自体は悪いことではありませんが、間違いが侵入してくるのは、それらのバージョンを学ぶことで『奇跡講座』を学んでいると考えてしまうことです。」
                         --ケネス・ワプニック

「このコースは全面的に信じられるか、まったく信じられないかのいずれかである。なぜなら、それは全面的に真実であるか、さもなければ全面的に誤っているのであり、部分的に信じるということはできないからである。」(T-22.II.7:4-5)

* 「アメリカのACIMカンフェレンスでも続編として受け入れられている」と
いうことにつきましては、そのこと自体に重要性は認められないと思います。
そもそも、ほぼ毎年、世界のどこかで開催されているACIMカンフェレンスや
大会といったもの自体が、有志の人々の集まりにすぎず、オフィシャルなもの
ではありません。それらの主催者にはさまざまなグループがあり、中には、
ACIM原書の発売元「内なる平安のための財団」に対して批判的なグループに
より主催されているものさえあります。『奇跡講座』が独習用のカリキュラム
であるという非常に重要な点
を考慮すれば、ACIM大会といったもの自体が
『奇跡講座』の学習にとって必要不可欠なものとは言えませんし、むしろ、
場合によっては、逸脱の方向へ向かうものになることもあり得ると思います。
『奇跡講座』を口実として微妙な特別性を助長し温存させる機会となり得る
からです。 (ケネス・ワプニック博士は、そうした集まりには一切、参加しません
でしたし、参加を奨励することもありませんでした。『赦しのカリキュラム』の
274-275ページや、247ページ
なども参照してください。)

*『愛のコース』についての『奇跡講座』の発売元からのオフィシャルな
見解のようなものはありませんが、それに近いものとしては、「内なる平安の
ための財団」の理事会メンバーの一人であるロバート・ローゼンシュタール
博士(精神科医。つい最近、財団の新しい会長に就任)が、(財団を代表して
ではなく)個人として、アメリカのアマゾンに『愛のコース』についてレビュー
を投稿しています。その中で彼も、ここで述べたものと同じ見解をさらに詳しく
表明しており、「『愛のコース』がACIMの続編であると主張されていることは
残念なことだ」と締めくくっています。