JQA#36: 物質も神の子?
【質問】
「この宇宙は夢なんだ」の中に、動物や鉱物も神の子に含まれるという記述があります。私は今まで、「神はこの世界を創らなかった」ということの意味は、肉体をはじめすべての物質を創造したのは神ではないということだと認識していました。
この認識が正しいなら、マルシャーン氏の言うように物質も神の子というのはどう理解すればいいのでしょうか。
肉体そのものも神の子の範疇に入るということですか?
【回答】
厳密には、おっしゃる通り、物質界とその中にあるすべてのものを作り出したのは神ではないと、『奇跡講座』は教えています。
ですから、肉体そのものは〈神の子〉ではありません。
けれども、「世界を創造していない神」というのは、私たちが向かっている最終的なゴールとしての「一元論的な神」のことであり、そこへ戻っていく帰還の旅の途上にいる私たちにとっては、そのような神はまだ、直接経験できる範囲外にあり、概念化することさえできません。それゆえに、戻っていく過程についての説明の中では、そのような状態にいる私たちに理解できる言葉が使用されなければなりません。
ですから、『奇跡講座』自体の中に、一元論的な神についての描写と、私たちの経験に即した説明とが混在しています。
例えば、〈神の子〉は神から離れることができない存在であると教えながらも、「神から分離した神の子」がどのようにして神のもとに戻るのかについて語られています。また、神から分離した(と思っている)状態でも、〈神の子〉は本来は一人しかいないはずですが、世界の中では無数の個人が存在しているように見えているので、「神の子ら」(Sons of God) と複数形で表記されている箇所があります。
これらの例は、厳密に言えば明らかに「矛盾」なのですが、幻想の中にいる私たちに、幻想から出るための道順を教えるコースにおいては、便宜上、どうしても必要な説明の仕方であると言えます。
ですから、ご質問の中の2つの疑問点の一つ、「肉体そのものも神の子の範疇に入るのか」という点につきましては、以上の説明も踏まえつつ、次のように考えてください。
肉体という物体そのものは、神の子ではありません。けれども、神から分離したと自分で思い込んだ神の子、そして、心の中で自我の思考体系を選択してしまった神の子は、その選択から必然的に生じた結果として、分裂を繰り返して、物理的世界を作り出してしまいました。そうして、自分のことを、その世界の中に生きる「一人の人間」として知覚するようになってしまった神の子は、肉体の感覚器官によって限定された経験しかできなくなっているわけですから、「肉体になってしまった」とも言えるような状態にいる、ということになります。
言い換えると、「本来は神の子である存在が、自分は肉体であると思い込むという間違いに陥ってしまった」ということです。そして、その思い込みは幻想であり、実在するものではありません。ですから、「肉体をはじめ、すべての物質を創造したのは、神ではない」ということは依然として事実であり、神の子の方が、勝手に、「幻想の中で、間違った自己認識に陥っている」というだけのことなのです。
それでも、「腐っても鯛」という諺にも似て、「神の子は、間違いに陥っていても神の子」であるとも言えます。その間違いの訂正を選択する力を、神の子が失ってしまったわけではないので、神のもとへ戻る可能性は常に潜在しているからです。その意味において、このコースの学びの文脈では、世界の中で肉体として存在していると思い込んでいる私たちのことを「神の子」と呼ぶこともできる、というわけです。
そして、ご質問の中のもう一つの疑問点「動物や鉱物や物質も、神の子に含まれるのか」も、ほぼ、同じように考えることができます。
自我による分裂の最後の段階で、物理的な宇宙全体とその中にあるすべてのものが現れました。地球を含む天体や惑星、その中の物体、人間、動物、鉱物、植物、微生物などのすべてです。ということは、人間以外の物体や物質の場合も、自分を人間と認識している私たちの場合と同じく、その起源は、心の中で自我の思考体系が選択されたことにあります。これは、一人の人間の場合よりも、はるかにスケールの大きな話になりますが、その原則は同じです。動物も鉱物も人間も、神の子による同じ一つの間違った選択から生じたものですから、同じものが異なった形に表われたものなのです。ですから、物質も、〈間違った選択をした神の子〉の表われ方の一つであるという意味において、「物質も神の子」と言うこともできる、ということになります。
なお、この「人間以外の物体や物質」というトピックについては、さらに、本館のQ&A#118「思考する生き物以下の存在も、幻想から目覚める選択をするのでしょうか?」も、参照してください。
その他の関連資料:
◆上記の「一元論的な神についての描写と、私たちの経験に即した説明が混在している」ということについては、「レベルの混同」のビデオを参照してください。
◆分裂の4つの段階については、「思考の逆転」(DVDまたは小冊子)に詳しい説明があります。
[2018年12月7日]